【重度訪問介護 ブログ】 重度訪問介護の難しさ その6 〜初心者編〜
2025/12/17
今回のテーマは、同行研修とひとりだちについて
あくまでも経験をもとにまとめていますので、わたし個人の考え方です。
わたしは、専門学校でホームヘルパー2級の資格を誇らしげに取得し、新卒採用で訪問介護に配属されました。
配属理由は、車の免許を取得していたからであった。
この訪問介護は、介護保険の訪問介護であり、夜勤者でしたので一晩に10件~20件程度訪問していました。
さて、新卒で介護未経験者がどのようにOJTを受け、ひとりで訪問できるようになったのでしょうか?
幸いなことに中~大手に分類される企業だったため採用時オリエンテーションからOJT、サービス提供責任者、介護福祉士取得、3年目研修、5年目研修までしっかりとした研修プログラムがありました。
試用期間が3か月だったということもあり、3か月がひとつの目安となっていました。
また、ケア項目ごとに何ができれば研修終了という評価方法も明確となっていました。
そのため、ケア項目に〇(研修終了)がつかないと、そのケアがある利用者さんの訪問にはいけない仕組みでした。
重度訪問介護の登録ヘルパーの同行研修との大きな違いは、件数とバリエーションの差です。
夜勤専従でしたので、1か月の出勤日数は11日~12日(1日16時間労働なのよ)。
1日あたり10件訪問したとすると、1か月で延べ100回ケアの経験をすることができます。
対して、重度訪問介護は1人の方と過ごす時間は長いですが、登録ヘルパーの方で週に1度その方の同行研修を受けたとします。そうすると、1か月は約4週間なので、1か月で4回ケアの経験をすることができます。例えば、週に3人の同行研修があったとしましょう。それでも、1か月で12回のケアの経験しかできないのです。
もちろん、重複するケア内容があるので、実際はもっとケアの経験をする機会はあると思いますが、こんなにもケアの経験回数に差があります。
1年後、2年後はどうでしょうか?
重度訪問介護は、同じ方を担当するパターンが多いです。
そうすると、12回を12か月継続したとすると、144回。24か月継続したとすると288回と仮定します。
一方で、介護保険の訪問介護、
100回を12か月で、1200回。24か月継続したとすると2400回という数字が仮定できます。
数字だけ見ても差が開いていることはわかると思いますが、介護保険の訪問介護は、入院や入所される方が多く、そのたびに新規対応をします。そのため、得られる経験の幅は広く、深くなっていきます。
また、限られた時間内に決められたケアを実施する必要があるため、時間内に収まるように無駄を省き、効率よく、時間をかけたいケアに時間をかけられるように調整します。
話がふくらみ過ぎましたので、戻します。
重度訪問介護の同行研修が難しい理由は、経験数が圧倒的に少ないということがまず1つあげられます。
次に、小さな事業所が多いために同行研修の手法が定まっておらず、その人の経験値にゆだねられている点にもあります。
つまり、誰に教わるかによって研修の濃度に差が開いてしまうということです。また、しっかりとした研修を受けた経験のある人の方が少ないということも同行研修の精度を低くしている要因でしょう。
限られた回数で研修を実施し、ひとりで訪問してもらうためには限界があります。
そのため、重度訪問介護の同行研修において最低限伝えられることは、決められた手順で決められたことができるようになる程度に留まります。この決められたことができるようになるという曖昧な言葉ですが、「できる」といってもその手技が最低限度安全にできるだけであって、安楽に安心にできているわけではありません。
同行研修終了したら、より安全により安心により安楽に熟練度をあげることが求められます。
その限られた回数でより成果をあげる同行研修をおこなうためには、どのようにしたら良いのでしょうか?
初心者がひとりで訪問できるようになるためには、大まかなに3つの要素にわけられると考えています。
1,メモを見たら実施できる内容
2,自身の身体の使い方を身につけ、相手の身体の動かし方を体得すべき内容
3,医療的ケアのように資格がないとできない内容
1に関しては、主に物品準備や清掃など身体に関わらない内容です。
こちらに関しては、メモさえあればできる項目なので、早々とメモを取り、メモをもとに実施していけばよい内容です。
2に関しては、身体介助・トランスに関わる項目です。
まず、自分の身体の使い方を身につけることが先です。理由として、基本を身につけることができれば、その基本は他の利用者に応用することが可能だからです。
特に身につけた方が良いこととして、立ち位置と姿勢。てこの原理と自身の体重と体重移動をうまく利用すること。次に相手の身体に関することで意識すると良いことは、支え方、手のふれ方、リズムや力の方向、関節の動かし方ですね。これらは広く応用が効く項目だと思います。
3に関しては、しっかりと看護師さんより指導をうけてください。
この項目に関しては、どうなったら異常なので、その時にはどのような対応をするのか、しっかりとメモを取り、ひとりで訪問する際にはしっかりと清書すると良いでしょう。
一番大切なことは、イメージトレーニングです。
入室から退室までの一連の流れを頭の中で何度も再現することです。
頭の中でイメージできないことは、いつまでたってもできません。
また、イメージトレーニングをおこなうと、わからない箇所が必ず出てきます。
このわからない箇所を必ず同行研修中に確認しできるようになりましょう。
最終チェックは、言語化です。
イメージしたことを箇条書きで構わないので、手順書として言語化しましょう。
言語化できないことは、理解できていない証拠です。
イメージができて、言語化できたなら、あとは実際のケアを質を高めることに集中しましょう。
ケアが上手になったと判断する目安として時間を意識すると良いでしょう。
慣れていないことは、どうしても時間がかかってしまいます。
そのため、最初のころにかかった時間を記録に残しておき、どうしたら時間を早めることができるのか考えると良いでしょう。
ここで注意が必要なのは、時間を早められれば良いということではありません。
安全に安心にかつ安楽に時間を早められることが大事です。
次のステップとしては、ケアの目的を理解することです。
ケアの目的を理解することで、大切なのは手順ではなく目的であることを再認識してください。
利用者はどんな生活をしたいのか?
それを実現するために日々のケアがあります。
決められた手順を守るために、利用者さんが望むことを否定しては本末転倒となってしまいます。
マズローの欲求段階に合わせるなら、まずは生命維持、最終的に自己実現できるようにステップアップしていきケアを考え生活支援を行い余暇活動もできるようになると良いかもしれませんね。
