【狛江 訪問介護】オムツ交換が訪問介護の仕事ですか?
2022/09/03
What is your business?(あなたの仕事は何ですか?)
10年前、新卒で訪問介護員として働いていた頃。オムツ交換のオムツのあて方を必死に練習しました。ひたすら速く丁寧に。
誰よりも上手に美しくオムツ交換をするんだと意気込んでいました。
漏れないあて方や装着後の美しさ。
ズボンの位置や布団の掛け方。
服にはシワ一つ残さない細部にまで徹底的にこだわっていました。
ひたすら試行錯誤していく過程でコツを身につけていきオムツ交換に関して自信を持ち始めていました。
1年後、後輩が新卒として入社配属されました。最初の1ヶ月間は当時の上司がその後輩を指導しましたが、それ以降は私も指導することがありました。身につけてきたオムツ交換のコツを伝え教えていくと、みるみるうちに上手になっていくではありませんか。
後輩の成長は嬉しいのですが、反面、あんなに苦労して身につけてきたのにこんなにあっさり身についてしまうものなの?とショックも受けました。
コツを教わり、それを掴めばある程度できるようになることというのは、プロの仕事ではないのではないだろうか?と、ふと思いました。
おそらく、この"ある程度"というのがポイントで、これは顧客の期待値とイコールで結ばれる。
さらに、オムツ交換にも、ハイエンドがあると考えている。
このハイエンドを超えてしまったスキルは、認識されないというよりも顧客から求められていないのです。
ちょっと待ってほしい。
オムツ交換は、訪問介護のサービスの項目であって、仕事ではない。
ここで聞かれていることは、あなたは仕事にどんな定義をつけていますか?
という問いなので、サービス項目や固有名称を答えでは不十分になってしまうのである。
プロの仕事とは、誰にでもできるものではないからプロなのである。
となると、訪問介護で提供するサービス内容は、できてあたりまえであるため、訪問介護のプロフェッショナルは別にあるということになる。
QOL(クオリティー・オブ・ライフ)生活の質と呼ばれているものである。
この生活の質に仮に点数をつけたとしましょう。
最高点が100点満点だとします。
要介護者や障がい者は、生活の質の現在値が80点だったり、30点だったりします。
満点と現在値とのギャップを埋めることが、プロフェッショナルです。
できないことに焦点をあてるのではなく、できることに焦点を当てる。
できないなら、何か別のもので補うことにより満点を目指す。
満点となる、つまり、顧客が望む生活・夢を叶えるために、課題設定をし、共に課題を解決していく。
また、顧客は自身のニーズを理解していないことがあります。
真のニーズを叶えるのが、プロの仕事であり、訪問介護の仕事です。
このニーズが叶った時の、嬉しそうな笑顔こそ、病みつきになる魅力です。